水害の記録~倉敷市真備町の西日本豪雨災害~

平成30年7月豪雨(通称西日本豪雨)で大きな被害を受けた岡山県倉敷市真備町の住人による災害備忘録

被災者

家に着いてからはずっとテレビを見ていた。
情報はとりあえずそれしかないからだが、真備町の水害は全国ネットで大々的に報道されていた。
ヘリからの空撮でテレビ画面に映されていたのは、茶色い水で覆われた真備の町・・・。

「大変なことになるかもしれない」と昨夜から何度も頭をよぎったが、それが現実となってしまった。
テレビからも「被災」「被災」という言葉が繰り返される。

被災者だ。
被災者になってしまった。

阪神淡路、東北、熊本、北海道・・・。
今まで、たくさんの被災者の方をテレビで見てきた。

その度に自分に起こったらどうなるのだろうという思いが頭をよぎっていた。

その被災者に本当に自分がなった。
信じられない、現実が受け止められない、
不思議な気持ちだった。

テレビに映っているのは自分の町なのに、映画か何かを見ているような、他人事のようにしか捉えられない感じだった。

これから先のことが想像できない。
何がどうなっていくのかもさっぱりわからない。
自分が不安なのかどうかも正直よく分かっていなかった。