水害の記録~倉敷市真備町の西日本豪雨災害~

平成30年7月豪雨(通称西日本豪雨)で大きな被害を受けた岡山県倉敷市真備町の住人による災害備忘録

爆発

23時ごろ、母親が叫び声を上げた。
「池の水が溢れて鯉が庭を泳いどるよ!!」

うちには古くから庭に池があり、鯉を飼っていた。
その池が大雨で溢れて地面に水が流れ出し、鯉が庭を泳いでいたのだ。

 

小田川より先にうちの庭池が氾濫した。
溢水対策はされているのだが、雨の勢いに処理が追いつかない。

ここまでなったのは初めてで、どうしようかと考えたが、池の栓を抜くと鯉が流れていってしまいかねないので、排水ポンプとホースを使って外の用水路に排水することにした。


雨が降っているのでかなりだるい作業だったが仕方ない。
母親も心配で出てきて見ている中、家の中から電源を引いて、ホースを伸ばして・・・、などとやっていると、突然東の空が山際から空に向かってオレンジ色に染まり、その後、あたりが昼間のように真っ白になった。

その直後、

「ドン!ドーン!」

と衝撃音が2発響き渡り、母と「何!?」と顔を見合わせた。

23時35分だった(らしい)


何が起こったのかまったくわからなかった。
夜中なので当然辺りは真っ暗。
そこが突然オレンジ色から真っ白、そして破裂音。


経験則に無い事柄が次々に起こり、軽くパニック状態だった。
「きっとあれだ!」と思うようなヒントが自分の中に何も無く、「何?今の」とオロオロするばかり。

ミサイルが落ちたのかとも本気で考えた。
さっきのサイレンは本当にJアラートだったのかと。


であれば、この後、追加があるかも。
そして化学兵器であれば毒性の化学物質が流れてくるかも。
化学兵器でなくても、何かが爆発したのであれば、何かしらの飛散物が流れてきてもおかしくない。
色々な思いがよぎってとりあえず安全策のために家の中に入った。

何か情報を探そうと思い、テレビを見ても何も情報がない。
とりあえず「さっきのは雷だったんだろう」ということになった。
大雨、洪水、サイレン、爆発音・・・、
何が起こってるのかわからないが大変なことが起こっているのはわかった。