不安と恐怖
夜になって周囲が騒がしくなってきていた。
多分、市役所だと思われるが、マイクを使った放送が行われていた。
スピーカーから何か言っているようだったが、距離が遠いのと雨の音が大きいのとで全然聞き取れない。
おそらく避難勧告に関することを言ってたのだと思う。
何度も放送があり、その間々にサイレンが鳴っていた。
2~3回は鳴ったと思う
低音で長く鳴る、Jアラートの国民保護サイレンのような音だった。
その時は知らなくて後で知ったのだけど、このサイレンは、ダムの放流が行われる合図らしい。
ということは放送では「ダムを放流します」と言っていたのだろうか。
22時40分
緊急速報メールが入る。
特別警報発表
岡山県に特別警報(大雨)
最大級の警戒をしてください。
新たに特別警報の対象となった地域があります。
テレビ、ラジオ及び自治体等の情報をご確認ください。
(7月6日22時40分 岡山地方気象台発表 )
(気象庁)
最大級の警戒・・・。
本当に避難することを考え始めた。
周りの音が聞こえないくらいの土砂降り。
その間を縫って緊急放送がされ、低音のサイレンが鳴り響く。
消防車か救急車のサイレンもひっきりなしに鳴っていて、
自分の手元では緊急速報メールが何度も届くたびに、大音量の着信音が響くという、今まで経験したことがない状況に、ただただ不安と恐怖が募っていった。