水害の記録~倉敷市真備町の西日本豪雨災害~

平成30年7月豪雨(通称西日本豪雨)で大きな被害を受けた岡山県倉敷市真備町の住人による災害備忘録

不安と恐怖

夜になって周囲が騒がしくなってきていた。


多分、市役所だと思われるが、マイクを使った放送が行われていた。
スピーカーから何か言っているようだったが、距離が遠いのと雨の音が大きいのとで全然聞き取れない。
おそらく避難勧告に関することを言ってたのだと思う。

何度も放送があり、その間々にサイレンが鳴っていた。

2~3回は鳴ったと思う
低音で長く鳴る、Jアラートの国民保護サイレンのような音だった。
その時は知らなくて後で知ったのだけど、このサイレンは、ダムの放流が行われる合図らしい。
ということは放送では「ダムを放流します」と言っていたのだろうか。

 


22時40分
緊急速報メールが入る。


特別警報発表
岡山県に特別警報(大雨)
最大級の警戒をしてください。

新たに特別警報の対象となった地域があります。
テレビ、ラジオ及び自治体等の情報をご確認ください。
(7月6日22時40分 岡山地方気象台発表  )
気象庁


最大級の警戒・・・。
本当に避難することを考え始めた。

周りの音が聞こえないくらいの土砂降り。
その間を縫って緊急放送がされ、低音のサイレンが鳴り響く。
消防車か救急車のサイレンもひっきりなしに鳴っていて、
自分の手元では緊急速報メールが何度も届くたびに、大音量の着信音が響くという、今まで経験したことがない状況に、ただただ不安と恐怖が募っていった。