水害の記録~倉敷市真備町の西日本豪雨災害~

平成30年7月豪雨(通称西日本豪雨)で大きな被害を受けた岡山県倉敷市真備町の住人による災害備忘録

使用できないもの

1回浸水したものは、ほとんど使い物にならない。
特に、木、紙、布類はダメ。
頑張って残してはみたけど、ほとんどが結局捨てるしかなかった。



合板は細かい木屑を接着剤で圧縮して固めたものなので、水に浸かると接着剤が溶け、ただのおがくずになる。
粉々になるので使えるもなにもない。
僕が使っていた机は天板以外消えて無くなっていたくらいだ。
合板ではなく無垢の木は、種類にもよるが、だいたい一度水を吸うと膨張し、乾くと変形しながら収縮するので元の状態にはなかなか戻らない。
樫や松の木のような硬い材質のものはあまり水を吸わないので再利用できるのだが、激しくカビが発生する。
杉のような柔らかい材質は割れたり縮んだり変形したりでなかなか利用は難しいと思う。
また、どれも何度拭いたり洗ったりしても、乾いたら白い粉のような細かい泥が浮き出てくる。
その繰り返しに心身ともに疲弊してしまう。
そして、油のようなものが染み込んだ染みが出来、これはなかなか取れない。


目の細かい泥が繊維の奥まで入り込むので、乾くと泥が固まって柔らかい布でも板のようにカチカチになる。
何度洗っても泥が滲み出てくるが、それでも何度も洗濯を繰り返したら最終的には使えるようになると思うので、労力に見合うならやればいいと思う。
僕は布製のベルトを意地になって洗ったが、10回以上洗濯してやっと柔らかくなった。
ベルト1本でこれなのであれば、服などはもっと回数がかかるのではないかと思う。
金属がついているとあっという間に錆びが出るし、思い入れがないのであれば捨てた方がいいと思う。


書類や写真など丁寧に洗い流せば残せる。
水性のインクで書かれたものは消えたりにじんだりして厳しい。
写真も少し残したが、泥でくっついてパリパリ。
でもこれは気持ちのものだからなかなか捨てられないだろうな・・・。


電化製品
使わない方がいい。
町内では被災後、何件も火事が発生した。
コンセント側から出火することもあるのだけど、製品が発火することも多かったようだ。
テレビ、冷蔵庫など家電はほぼ捨てたが、扇風機は分解して全部洗浄し再利用した。
作りが簡素なのでなんとか出来たがそれでも使わないほうが良いらしい。
洗浄してとりあえず再利用したのは扇風機と水洗トイレ。
しかしどちらも時間が立つにつれ不具合が出て、トイレは間欠的に水漏れ、扇風機はモーターが次第に回らなくなった。