水害の記録~倉敷市真備町の西日本豪雨災害~

平成30年7月豪雨(通称西日本豪雨)で大きな被害を受けた岡山県倉敷市真備町の住人による災害備忘録

遂に小田川氾濫の情報

7月7日 0時47分、致命的な緊急速報メールが入った。

河川氾濫発生
小田川倉敷市真備町箭田(右岸)付近で河川の水が堤防を越えて流れ出ています。
防災無線、テレビ等で自治体の情報を確認し、各自安全確保を図るなど適切な防災行動をとってください。
本通知は、中国地方整備局より浸水のおそれのある市町村に配信しており、対象地域周辺においても受信する場合があります。
国土交通省

とうとう氾濫という言葉が出た。
しかし右岸とはどこのことだろう・・わからない。

 

自分のいた場所(実家)は割と海抜が高い。
小田川は過去にも氾濫して真備地区は水害に見舞われていたそうだが、水がうちまで来たことはなかった。

 

以前、災害の話をした時に家族とよく言っていた。

「もしうちまで水が来たら真備は壊滅するわ」

 

小田川の水量ではこのあたりまでは届かない」と聞いていたが、今回はちょっと違うかもしれない。
流石に床上はないだろうけど、もしかしたら床下くらいまでは水が流れ込むかも・・・。

 


「避難するか」と言う話を何度か母としたが、母は逃げないという。
水は来るわけない、と。

後で思ったがこれは「来てほしくない」という強い気持ちの表れで、「逃げる」ということは「水が来る」ということを認めたことになるから、口ではこう言っていたのだろう。


「水は来ない」「逃げない」と言うことで安心を得ようとしていたのだ。


しかし、事態はどんどん悪くなり、どんどん追い詰められていく。