水害の記録~倉敷市真備町の西日本豪雨災害~

平成30年7月豪雨(通称西日本豪雨)で大きな被害を受けた岡山県倉敷市真備町の住人による災害備忘録

高台へ

誰かと思ったら、前出の弟の友達の親父さん。
まあ、近所の知り合いのおじさんだ。

 

軽トラを停めてエンジンを掛けたまま車内にいる。

母が
「逃げんの?」
と聞いた。


おじさんは
「おう、わしゃもうちょっとここで見てみるわ」
と落ち着いたものだった。
まあ過去にも経験しているからというのもあったんだろう。

「ほんなら逃げるよ。気をつけてな」
と言い残して、家を後にし、母の車を置いた近くの高台へ移動した。

午前4時頃だった。
このおじさんは後々大変なことになる。

弟が軽トラの荷台に飼い犬を積んで逃げてきていた。
飼い犬が車を怖がって大暴れ。
飛び降りようとするわ、ウンコを荷台に大量にするわで四苦八苦していた。
ペットがいるとこんな時大変。


とりあえず母を車の助手席に残して、1回家に戻ろうとした。
しかし、もうすでに辺りは水が来ていた。
さっき「車椅子の婆さんが・・・」と会話したおじさんの家の手前で道路は冠水していて、家には戻ることが出来なくなっていた。

みんな逃げれたんだろうか・・・。

土砂降りの雨は降り続いていた。