水害の記録~倉敷市真備町の西日本豪雨災害~

平成30年7月豪雨(通称西日本豪雨)で大きな被害を受けた岡山県倉敷市真備町の住人による災害備忘録

水平避難

まず母の車を数百メートル離れた場所にある、うちのお墓のある山の麓へ。
それから走って家まで帰っていると、近所の人も次々に車を移動させていた。

普段ほとんど話しをしない、ちょっと変わり者の近所のおじさんとすれ違った。
「車を逃がす。その後、車椅子の婆さんがまだ中におるから連れて出る!」
という。

この家の玄関先にはすでに水が流れ込んで来ていて、大丈夫か?思ったが
「急いでね!」
と声をかけて急いで自宅に戻った。


中に入ると、母が
「2階に上がったんじゃおえんの?一応布団を敷いといたんじゃけど」
という。

正直僕も2階に逃げとけば大丈夫じゃないのか?という思いがあった。
2階でも大丈夫かもしれない。
でももしかしたら大丈夫じゃないかもしれない。
わからない以上は最大限の対策をとった方が良いと思い、
「いや、車に乗って高台へ行こう」
と母を連れ出した。

 

あとは自分の車で2人逃げるだけ。
外に出て自分の車に乗ろうとしたら、最初に見たときより水際が数メートル家の方に来ていた。
何時間も停滞していたのに、ここへ来て結構なスピードで増えている。

母は、家の入口の門にブルーシートを敷いている。
少々の浸水なら食い止められるように、だ。
こんな時でも頭が回る人だ。
僕はそんなこと思いもつかなかった・・。


ブルーシートを一応簡単に敷いて駐車場に行くと軽トラが1台停まって誰か乗っている。

誰だ・・・?