水害の記録~倉敷市真備町の西日本豪雨災害~

平成30年7月豪雨(通称西日本豪雨)で大きな被害を受けた岡山県倉敷市真備町の住人による災害備忘録

忘れられない恐ろしい光景

この頃はかなり土砂降り。


車の中にいると、時々人が傘も差さずに歩いて車の横を通っていく。
この位置から更に高い場所に向かって歩いていく。

この雨だしみんな全身ずぶ濡れ。
一人だったり、また家族だったり、
中には犬を抱いてずぶ濡れで歩いている。


「何やってんだろ?」
この雨の中、傘も差さずにずぶ濡れになって歩く?
と思っていた。


様子を見ようと、車を出た。
車から降りて少し歩くと、隣の地区が見渡せるのだが、目に飛び込んできたのは異様な光景だった。


一面、茶色い水。


その中に点々と屋根が少し見えていた。
2階の屋根だ。

これはうちの隣の地区。

地区全体が完全に水没していた。
さっきからずぶ濡れで歩いていた人は、家が全没したためにずぶ濡れで逃げてきた人達だった。

住宅地は完全に水の中。
そして響き渡る消防のサイレン。
高台から傘を差して沢山の人がその光景を見守っている。
本当にパニック映画の1シーンのようだった。

東日本大震災の映像を思い出す。
みんな高台でこうやってただ眺めるしかない状況はそれと同じだった。

忘れられない恐ろしい光景だった。