水害の記録~倉敷市真備町の西日本豪雨災害~

平成30年7月豪雨(通称西日本豪雨)で大きな被害を受けた岡山県倉敷市真備町の住人による災害備忘録

静か、呆然

しかし、静かだ。
恐ろしく静か。


上空ではヘリが何台も飛び交っていてバタバタいってるのだが、ヘリが遠ざかるとあたりは物音一つしない。


「シーーーーーン・・・」という感じ。


人間が1人もおらず、車も1台も走っていないとこんなにも静かなのだということに驚いた。

うちは古い旧農家で壁は土壁がほとんど。
そして昔の造りに多い、裏口にトイレや洗濯場がある。

裏口に回ると、壁は落ち、土壁の泥が山積み。
洪水の泥と土壁の泥で泥だらけ。
モノが散乱し、その一番奥には泥をかぶった洗濯機が倒れかけていた。

表に回り、ボロボロになった納屋の前を通って勝手口から家の中に入った。

ドアを開けると部屋も廊下も、家中全てが足の踏み場がない状態。
家具、電化製品、すべての物が倒れて散乱しており、床は泥でぬかるんでいる。
障子もふすまも破れたり敷居から外れてたりしていて畳も浮き上がったり斜めに立てっていたり・・・。

初めて見る光景に言葉が出ない。
呆然とする。